Linuxで組もう!DIY PC Audio 詳細解説 Vol.4

(2) 固定IPアドレス設定


デフォのDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol: IP Addressの自動割り当て設定)のままだと、結構コロコロ変わってしまうIP Addressを、今後の管理運営のため、固定化しましょう。


ただ、最近のDebianデフォでは、IP Addressを確認する最もポピュラーなコマンドである「ifconfig」などが使えません。

将来的に無くしていく方針なんだそうです。

ここでは、それを使えるようにするため、net-toolsというパッケージをまずはインストールします。


:~$ sudo apt install net-tools


これで、ifconfigも使用できます。

次の設定で、GatewayとNetmask値(IP Addressを規定するための数値)を指定するため、現LAN環境のそれぞれの値を別コマンドで確認しましょう。


:~$ netstat -nr

Kernel IP routing table

Destination     Gateway         Genmask         Flags   MSS Window  irtt Iface

0.0.0.0         192.168.1.254   0.0.0.0         UG        0 0          0 eno1

192.168.1.0     0.0.0.0         255.255.255.0           0 0          0 eno1


へーっ。Gatewayは、192.168.1.1かと思いきや、254なんですね。

「Genmask」と書かれている部分の下部の数値が、この環境でのNetmask値です。


自分の環境が確認できたところで、IP Addressの設定ファイルを編集しましょう。


:~$ sudo nano /etc/network/interfaces


今までとは別の、nano用編集画面が立ち上がります。

今回であれば、以下のような記述ですね。


# This file describes the network interfaces available on your system

# and how to activate them. For more information, see interfaces(5).


source /etc/network/interfaces.d/*


# The loopback network interface

auto lo

iface lo inet loopback


# The primary network interface

allow-hotplug eno1

# iface eno1 inet dhcp

iface eno1 inet static

address 192.168.1.176

netmask 255.255.255.0

gateway 192.168.1.254

# This is an autoconfigured IPv6 interface

iface eno1 inet6 auto


赤字の部分が今回の修正・追加箇所を示しています。


「#」が冒頭にある行と、そうでない行がありますね。

これ、「#」の付いていない行のみが、実際の設定コマンドとしてワークします。


また「#」を付ける事を「コメントアウト」と呼び、設定ファイルによって、それぞれの設定の説明を入れてあったり、複数の設定オプションがデフォルトで用意されていたりします。コメントアウトされている行は、設定行として認識されません。


今回、まずはDHCPを指定している既存の行を#でコメントアウト、その代わりに、固定アドレスを指定する (= static) 設定行を新たに挿入、その後に詳細設定を記入しています。

ちゃんとカーソルを修正位置、挿入位置まで持っていって、修正、入力して下さい。カーソルを持って行けば、普通に入力はもちろん、deleteや改行なども可能です。


address: ここで新たなIP Addressを規定します。最後の3桁、「.176」の部分に、2 - 253の範囲で、自分の好きな数字を入れましょう。他のDHCP機器と重ならないよう、なるべく大きな数字を設定することを推奨します。

netmask: 上記で確認した数値

gateway: 上記で確認した数値


修正が終わったら、新たな設定を保存しましょう。


^x


「^」は、controlキーです。control + xと押して下さい。

保存するかどうか聞いてくるので、「y」を入力して下さい。もう一画面新たに出てきますが、そのままreturnで元の画面に戻ります。

なお、何も変更していない場合「^x」だけで、元画面に戻ります。


nanoにも、色々コマンドがあり、画面下部に説明が載っていますが、普段「^x」以外で使用するのは、


^v: 次ページに進む

^y: 前ページに戻る


くらいかと思います。後で修正する、mpd.confなどは、相当記述が長いので、まあこのくらいは覚えておいた方が良いでしょう。


Linuxで組もう!DIY PC Audio  目次

全過程  Vol.1: Debian buster インストール準備編

全過程  Vol.2: Debian buster インストール

全過程  Vol.3: Debian設定 全コマンドライン

全過程  Vol.4: MPDクライアント設定


詳細解説 Vol.1: PCオーディオのススメ

詳細解説 Vol.2: Linux / MPD / Real Time Kernelについて

詳細解説 Vol.3: コマンドライン(1) Linux テキストエディタのインストール

詳細解説 Vol.4: コマンドライン(2) 固定IPアドレス設定

詳細解説 Vol.5: コマンドライン(3) リモート作業環境の確立

詳細解説 Vol.6: コマンドライン(4) リアルタイムカーネルの実装と設定

詳細解説 Vol.7: コマンドライン(5) MPD / mpc / ALSA / Avahi Daemon + Safety Shutdown設定

詳細解説 Vol.8: コマンドライン(6) ジャケ写表示設定

詳細解説 Vol.9: コマンドライン(7) MPD詳細設定

詳細解説 Vol.10: コマンドライン(8) NAS上の楽曲データのマウント

詳細解説 Vol.11: コマンドライン(9) おまけ - WoL設定


(21/08/29更新)Debian bullseye & MPD 0.22.6 アップグレード!+ DSD再生情報

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