Linuxで組もう!DIY PC Audio 詳細解説 Vol.7
(5) MPD / mpc / ALSA / Avahi Daemon + Safety Shutdown設定
さあそれでは、Linux上でのHi-fi音楽データ再生の為の最大の中核を成す悪魔くん、MPD (Music Player Daemon) のインストールです。
:~$ sudo apt install mpd
新しいMPDがちゃんと入っているか、MPDのバージョンを確認してみましょう。
:~$ mpd -V
Music Player Daemon 0.21.5 (0.21.5)
Copyright 2003-2007 Warren Dukes <warren.dukes@gmail.com>
Copyright 2008-2018 Max Kellermann <max.kellermann@gmail.com>
…(以下、略)
ちゃんと最新ver.0.21がインストールされている事が分かります。
MPDのリリースノートを確認すると、枝番の.5は、2019年2月のバージョンですね。
MPDの設定ファイルは、/etc/mpd.confにあります。
後ほど詳細設定を行いますが、今は、どんな記述になっているか、チラ見で、確認を行いましょう。
:~$ sudo cat /etc/mpd.conf
catは、設定ファイルの内容を確認するためのコマンドです。
# An example configuration file for MPD.
# Read the user manual for documentation: http://www.musicpd.org/doc/user/
# or /usr/share/doc/mpd/html/user.html
# Files and directories #######################################################
#
# This setting controls the top directory which MPD will search to discover the
# available audio files and add them to the daemon's online database. This
# setting defaults to the XDG directory, otherwise the music directory will be
# be disabled and audio files will only be accepted over ipc socket (using
# file:// protocol) or streaming files over an accepted protocol.
#
music_directory "/var/lib/mpd/music"
… (以下、略)
この、MPDが指定しているmusic_directryを、後ほど設定に使用します。
次に、Real Time Kernel処理を行うグループとユーザーをMPDの中に作りましょう。
:~$ sudo adduser mpd audio
これで、「audio」というグループが作成され、その中に「mpd」というユーザーが登録されました。
ついでですので、mpcも入れておきましょう。
:~$ sudo apt install mpc
mpcというアプリは、Denianマシンからのコマンドラインで曲を再生させるソフトウェアです。
お話しした通り、通常再生時はMPDクライアントという外部リモコンを使うので、再生用アプリとしては最初のテスト時以外ほぼ使用しませんが、後の設定で、楽曲データの更新ツールとして使用します。
次は、ALSAのインストールです。
:~$ sudo apt install alsa-utils alsa-tools
ALSAとは、Advanced Linux Sound Architectureの略称で、サウンドカードのデバイスドライバを提供するコンポーネントとしてLinuxに標準で実装されている、Open Sound System (OSS)を、より高音質・高機能なものに置き換えるために開発されたパッケージです。
ALSAをインストールすることで、これがDebian上のMPDで音声入出力を行うための標準的な仕組みになります。USBでDebianマシンに繋がれたDACなどのオーディオデバイスは、以降、ALSAデバイスとして認識されます。
ここで、MPDに加えて、もう一人、別の悪魔くんを召喚します。
:~$ sudo apt install avahi-daemon
avahiというdaemonは、MPDクライアントから、Debianマシンのシステムを自動で検出できるようにするためのソフトウェア。
設定ファイル内の”enable-dbus=yes”部分の#(コメントアウト)を外して、有効化を行ってください。
:~$ sudo nano /etc/avahi/avahi-daemon.conf
…
#use-iff-running=no
enable-dbus=yes
#disallow-other-stacks=no
…(以下、略)
Linuxも、WindowsやMac同様、電源ボタン長押しOFFで強制シャットダウンするのは危険です。
常に正しいシャットダウンプロセスを経て閉じる事が推奨されます。
以下は、その正しいシャットダウンコマンドを、電源ボタンOFFの動作に割り振って、「あたしゃPCぢゃないよ、家電製品だよ」という「ふり」をさせるための設定です。
:~$ sudo apt install acpi acpid
以上の2つをインストールしたら、以下の設定(完全新規の白紙で開きます)に、新たに2行を加えて保存します。
:~$ sudo nano /etc/acpi/powerbtn.sh
/sbin/shutdown -h now "Power button pressed"
exit 0
設定後は、Debianマシンの電源ボタンを短く押すだけで、正しいシャットダウンプロセスが開始され、正常に終了します。
Linuxで組もう!DIY PC Audio 目次
全過程 Vol.1: Debian buster インストール準備編
全過程 Vol.2: Debian buster インストール
詳細解説 Vol.2: Linux / MPD / Real Time Kernelについて
詳細解説 Vol.3: コマンドライン(1) Linux テキストエディタのインストール
詳細解説 Vol.4: コマンドライン(2) 固定IPアドレス設定
詳細解説 Vol.5: コマンドライン(3) リモート作業環境の確立
詳細解説 Vol.6: コマンドライン(4) リアルタイムカーネルの実装と設定
詳細解説 Vol.7: コマンドライン(5) MPD / mpc / ALSA / Avahi Daemon + Safety Shutdown設定
詳細解説 Vol.8: コマンドライン(6) ジャケ写表示設定
詳細解説 Vol.9: コマンドライン(7) MPD詳細設定
詳細解説 Vol.10: コマンドライン(8) NAS上の楽曲データのマウント
詳細解説 Vol.11: コマンドライン(9) おまけ - WoL設定
(21/08/29更新)Debian bullseye & MPD 0.22.6 アップグレード!+ DSD再生情報
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