Linuxで組もう!DIY PC Audio / Debian bullseye & MPD 0.22.6 アップグレード!+ DSD再生情報

本システムのOSであるDebianが、version 10 "buster"から、version 11 "bullseye"へ、8月14日付けで、公式にバージョンアップしましたね!
そう、2年に1度の、恒例公式アップグレードです。

こちら、無論クリーンインストールで最初から行ってもいいのですが、"buster"が既にインストールされていれば、SSH経由で簡単にリモートアップグレードが可能です。

重要な点は、OSがアップグレードされた事で、MPDも新しいバージョンに自動的にアップグレードされる事、です。以下がアップグレード後のMPDバージョン。

:~$ mpd -V

Music Player Daemon 0.22.6 (0.22.6)

Copyright 2003-2007 Warren Dukes <warren.dukes@gmail.com>

Copyright 2008-2018 Max Kellermann <max.kellermann@gmail.com>

…(以下、略)


はい、busterの時の0.21から一つ上がって0.22、枝番の.6は、今年(2021年)2月のバージョンですね。


ただ、MPD本家のリリースノートを見る限り、0.21 → 0.22は、そんなに大きな更新はないようです(精々、HDCD音源用のプラグイン追加、くらいかな。でもHDCD音源も全く普及してないし、ね)から、敢えてアップグレードしなくても、機能的にも、音質面からも、別段大きな支障はないと思いますが、まあ、最新安定版という見地から、精神衛生上も宜しいかと。


因みに、今回のLinuxカーネルの更新で、DoPを使用せず、DSD Native再生が出来るようにならないかな、と期待してましたが、結局ダメですね。筆者宅のDACは、未だに、プリメインアンプであるDENON PMA-2500NEに内蔵のモノで、それ自体はDSD Native再生を謳ってるんですが、如何せん、LinuxカーネルのDSD Native再生用のソースコードに、こいつのDACは含まれてないんですわ。


まずは、今回の更新による、uname -a(全システム情報の確認)の結果から。


~$ sudo uname -a

Linux debianmusic 5.10.0-8-rt-amd64 #1 SMP PREEMPT_RT Debian 5.10.46-4 (2021-08-03) x86_64 GNU/Linux


今回の"bullseye"移行で、Linuxカーネルが、4.19から5.10になっている事が分かりますね。


参考までに、こちらがDebian "bullseye"採用のLinuxカーネルであるver. 5.10の、DSD Native再生情報を含むUSB Audioの、公開されているソースコードです。ここに、DACのベンダーIDが記載されていれば、そのDACを通じてDSD Native再生が出来る訳ですが、DENON系で記載されているのは、以下の二つのみ。


	case USB_ID(0x154e, 0x1002): /* Denon DCD-1500RE */
	case USB_ID(0x154e, 0x1003): /* Denon DA-300USB */

DebianマシンにUSB経由で接続されている機器のベンダーIDは、以下のコマンドで確認できます。

:~$ lsusb

Bus 002 Device 001: ID 1d6b:0003 Linux Foundation 3.0 root hub

Bus 001 Device 004: ID 8087:0a2b Intel Corp. Bluetooth wireless interface

Bus 001 Device 003: ID 154e:1007 D&M Holdings, Inc. (Denon/Marantz) PMA-2500NE

Bus 001 Device 002: ID 041e:3125 Creative Technology, Ltd Creative Bluetooth Audio W2

Bus 001 Device 001: ID 1d6b:0002 Linux Foundation 2.0 root hub


我が家のDACのベンダーID「154e:1007」は、残念ながら、Linuxカーネル5.10のソースコード内に記載はないのですね。涙。


ただ、現状でもDoP経由でちゃんとDSD原音再生されているし、音も素晴らしいので、実は何の問題もないんですが。




まあ、これも「精神衛生上」ちゅうこって。笑。

Debianのリモートアップグレード方法の詳細は、Google先生に聞いていただければ、いっぱい出てきますんで、そちらをご参照くだされ。取り敢えずこの辺かな。

https://www.linuxtechi.com/how-to-upgrade-debian-10-to-debian-11/

要は、アップデート前の準備として、/etc/apt/sources.listの記述を修正した後に、

:~$ sudo apt upgrade --without-new-pkgs


:~$ sudo apt full-upgrade


を、2段階に分けて実行するだけです。アップグレード自体は30分もかかりません。

ただ、mpd.confの設定とがデフォルトに戻ってしまっている場合もあるので、一応全てを再度チェックして、
mount -a(fstab記載の全てのマウントリクエストの実行)をちゃんと行って下さいね。


最後に、この方法でアップグレード可能なのは、あくまでversion 10の"buster"からのみです。お気を付け下さいませ。


Enjoy your Hi-Fi sound!!


Linuxで組もう!DIY PC Audio  目次

全過程  Vol.1: Debian buster インストール準備編

全過程  Vol.2: Debian buster インストール

全過程  Vol.3: Debian設定 全コマンドライン

全過程  Vol.4: MPDクライアント設定


詳細解説 Vol.1: PCオーディオのススメ

詳細解説 Vol.2: Linux / MPD / Real Time Kernelについて

詳細解説 Vol.3: コマンドライン(1) Linux テキストエディタのインストール

詳細解説 Vol.4: コマンドライン(2) 固定IPアドレス設定

詳細解説 Vol.5: コマンドライン(3) リモート作業環境の確立

詳細解説 Vol.6: コマンドライン(4) リアルタイムカーネルの実装と設定

詳細解説 Vol.7: コマンドライン(5) MPD / mpc / ALSA / Avahi Daemon + Safety Shutdown設定

詳細解説 Vol.8: コマンドライン(6) ジャケ写表示設定

詳細解説 Vol.9: コマンドライン(7) MPD詳細設定

詳細解説 Vol.10: コマンドライン(8) NAS上の楽曲データのマウント

詳細解説 Vol.11: コマンドライン(9) おまけ - WoL設定

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